水中ポンプをメンテナンスしてみませんか?

工事用水中ポンプは過酷な状況下で使用される事も多く、修理依頼を承りお預かりするポンプは完全に作動しない状態である事も多々あります。

時には不運にも似たどうしようもない事もありますが、機械はメンテナンスを行えば長期使用ができ、性能も高い状態を維持する事が可能です。

今回は、メンテナンスご依頼の参考に、弊社レンタルポンプの修理工程をご覧いただけましたら幸いです。

港湾工事で海水内に浸かっていたため錆が酷く、電源ケーブルも千切れた状態での入庫です。

真空ポンプでオイル室の気密状態の確認です。少しでも漏れがあると水がオイル室やモーター内部に侵入してしまいます。

今回は気密テストで漏れがあった為、メカニカルシールの取り替えを行います。

同時進行で、モーター及びキャプタイヤケーブルの絶縁抵抗測定を行い、漏電やステーターコイルのショート等の有無を確認します。

ポンプメーカーの指針では1MΩ以上の絶縁抵抗があれば良しとなっておりますが、弊社では20MΩ以上の絶縁抵抗を社内基準としております。

オイルを抜き出します。今回はメカニカルシール消耗していた為、水も侵入しており酷く汚れています。

ストレーナーを取り外して、インペラとサクションカバーの摩耗状態を確認します。

お預かりするポンプは、この部分がかなり摩耗している事が多いです。摩耗して減ると揚水量に影響を及ぼします。

ケーシングの取り外し。かなり錆びています。ケーシングを取り外すとメカニカルシールが顔を出します。

メカニカルシールは消耗品なので、定期的に交換していないと、モーター内部が浸水したりとショートや絶縁抵抗低下の原因になってしまいます。

交換の為、取り外していきます。

試験運転を行いベアリングの消耗状態を確認します。異音等あれば交換を行います。

下部ブラケット接合ボルトを外し、ローターシャフトが引き抜きます。

今回は全体的に錆が酷い為、全てオーバーホールを行いケレン・塗装を行います。

モーターフレーム周辺のケレン・錆止め塗装が完了しました。

アウトカバーの錆が進行して出来たクレーターにセラミックを詰めて整形します。

胴体部分まで劣化塗膜除去・錆止め塗装が出来ました。

新規メカニカルシール取り付け。取り付ける時に少しでも傷が入ると機能を失ってしまう為、この作業を行う時は気を使います。

ケーシングを取り付け、新規メカニカルシールの気密テストを行います。

オイル注入
インペラ取り付け・調整
サクションカバー取り付け

インペラ↔︎サクションカバー間の隙間が開くと、揚水量に影響が出る為、シビアに調整を行います。

組み上がり

水槽試験。組み上がりに問題がないか確認を行います。

仕上げ塗装 〜 全工程完了。

以上、修理工程の一連の流れでした。

お預かりするポンプは、各部ボルト等の固着であったり腐食で折れ込みを起こしたりといった事がよくあり、修理費用増の要因になる為、定期的にメンテナンスを推奨致します。

「神は細部に宿る」という言葉がありますが、色々な業種に共通する事かと存じます。弊社でもまたこの精神をもって細部までこだわり、完成度を高めて行きたい所存です。

メンテナンスの御依頼お待ち申し上げます。

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